黒松の育て方まとめ
黒松の種(松ぼっくり)採取
松ぼっくりがまだ青い時期(9月~10月)に木から採取します。
くれぐれも、法に触れない場所で採取してください。(許可なく他人所有の木からの採取は絶対ダメです。)
早すぎても実が入っていないので、松ぼっくりが十分膨らんでから採取です。このとき樹液に触れると手がべたべたするので、手袋を着用しましょう。
高いところに登るのは危険なので、あくまで手の届く範囲の松ぼっくりを採取しましょう。
松ぼっくりからの種取り出し
松ぼっくりを少し深めの容器(お風呂の桶、洗面器など)に入れて日当たりの良いところに設置します。容器は風で種が飛んでいかないようにするため必須です。
徐々に松ぼっくりの色が茶色くなり、表面が開いてきます。開いたところから種を取り出せるので、松ぼっくりを逆さまにして振ります。
取り出した種の羽根の部分は取り除いておきます。
種を水を張ったバケツにいれると、沈む種と水面に浮かぶ種があります。
沈む種が発芽するので、蒔く種を選別します。
取り出した種は、そのまま取り蒔きにするか、ビン(ジャムの空き容器など)に入れ冷蔵庫で冬を越します。2月下旬~3月に取り出して、蒔きます。
黒松の用土
赤玉土の小粒は水持ちはいいのですが、水はけが今一つなので、水はけがよくなるように砂を混ぜ込みます。
種まき~発芽後2年くらいは、赤玉土の割合7~8割、2~3割砂位の用土で育てます。
3年目以降、黒松の成長に合わせ、砂の割合を増やしていきます。また、小粒の砂だけでなく少し粗目の砂を増やしていきます。
最終的に砂、砂利中心で育てている方もいますが、水切れを起こしやすく管理が大変なので赤玉土も3~4割程度は残した方が育てやすいでしょう。
発芽~軸切り挿し芽
地域にもよりますが3月ころには、発芽を始めます。
今後作りこむ樹形により、作業が違います。
文人や懸崖など幹が長くても良い場合は、水遣りを続けます。
ミニ盆栽、腰の低い模様木にする場合は、軸切り挿し芽を行います。
剪定
黒松の剪定は2月下旬~3月に行います。
剪定で徒長枝を切り、形を整えていきます。黒松の樹形を保つためには毎年の剪定作業は欠かせません。
芽摘み、芽切り、芽かき
樹形を整えるために、剪定以外にも芽摘み、芽切り、芽かき作業があります。
芽摘み(みどり摘み)
4月に伸びたローソク状の芽を摘みます。樹形を考え伸ばしたいところは摘まず、逆に樹形を崩しそうな芽は摘み取ります。
芽切り
夏(6~7月)に春から伸びてきた新芽を元からハサミで切ります。
芽かき
芽切りあとに切り口から、2番芽が出てきます。このとき3つ芽を出すことが多いのですが、2個だけ残すようにピンセットなどを使用して間引いていきます。
水遣り、肥料
香川県の高松市は昔から、松の産地として有名です。高松市は降水量も少ないため、黒松の葉が必要以上に伸びず樹形がきれいに見えることから松の産地になったようです。
また黒松は生命力が強く、岩場、海岸付近などの過酷な環境でも生き延びます。
そのため肥料に関しても、必要ないと考える人も多いです。
しかし、最近では多水多肥で育て黒松の力強さを表現する方法が定着してきています。
当方でも、水切れを起こさないよう(特に夏場は)たっぷり水遣りを行うとともに、春と秋に置き肥を行っています。
立ち上がりから、太く、力強い幹を育てるため水遣りと施肥は欠かせません。
針金掛け
黒松の樹形を自分の理想に変えていくのに針金掛けは必須です。自然に任せても思い通りの樹形を得られることはないでしょう。
黒松など松柏類の針金掛けには銅線が適しています。
針金掛けの時期
針金掛けは涼しい時期に行います。地域差もありますが10月下旬~11月が適しています。
植え替え
植え替えは2月下旬~3月に行います。
根詰まりを起こすと根から腐るので、2年に一度くらいは必要です。
根を短く切り詰めることで、小さい鉢に植え替えることもできます。
小さい鉢に植え替える際は、水持ちを良くするため用土の配合を見直しても良いと思います。
消毒
害虫予防に定期的に消毒を行います。
時期的には暖かくなる3月下旬から1月までの間、月1ペースでこまめに消毒を行います。
害虫を防ぐためには、日当たり、風通しがよい場所に設置することも考えましょう。