紅葉(モミジ)育て方まとめ
春の赤い芽出し~黄緑のわかば、夏にかけて濃緑の葉が広がり、秋には紅葉~落葉を楽しめ、冬には細かな枝ぶりを鑑賞できる人気の樹です。
日本人にとって落葉樹、紅葉する樹と聞いて真っ先に思いつくのがモミジではないでしょうか?
紅葉と書く漢字の通り、秋に徐々に鮮やかな赤に色ついてくるのを見ていると、心が穏やかな気持ちになります。
盆栽ではヤマモミジが多いですが、葉の小さな清姫、葉が最初から色ついている野村、風にそよぐ枝垂れもみじなど種類も豊富なのも人気理由です。
モミジの増やし方、入手方法
実生から育てる方法
モミジはこまめな剪定が欠かせないことから、盆栽鉢で育てたモミジが種をつけることは少ないのではないかと思います。
モミジの種を入手するには、地植えのモミジから入手します。(くれぐれも他人所有の樹から無断で採取しないようにしてください。)
近くに種のつくモミジの樹が無くても、メルカリなどネットやフリマアプリで安価に販売していたりするので季節になれば確認してみると良いでしょう。
5月頃には、枝の先端の方にプロペラ上の種が見えます。
実際、採取するのは秋10月下旬~11月になります。それより前では、取り蒔きしても発芽率が低いため採取は秋まで我慢です。
また、採取が遅れて冬の時期になるとか風に飛ばされてしまうので(プロペラが付いているので遠くまで飛んだりします。)種の状態を確認して採取します。
実生から育てるメリットは、発芽後網をかぶせたり、針金掛けを行うことで思い通りの樹形に仕上げることができることです。
種から発芽するのを見るのも楽しいものです。
挿し木で育てる方法
挿し木にする枝は、ある程度(5年位)育てた樹から採取します。
剪定の際にでる枝を挿すのも良いでしょう。
モミジ 挿し木の時期
春先の3~4月初旬が良いのかと思いますが、活着率は気温、天候次第なのかな?と思います。
モミジの剪定・葉刈り
モミジを細かな枝ぶりにするには、毎年の剪定は必要です。枝の成長が早く一年で樹形が変わって見えることもあります。
モミジの剪定の方法、時期は?
モミジの剪定は芽が出る前の2月下旬~3月初旬が適期です。樹形が変わるくらいの強剪定は成長期にはしない方が良いでしょう。
徒長した枝を切る程度なら、夏の成長期でも可能です。
基本はモミジの葉全体で、三角形になるように剪定します。樹形を崩しそうな枝は早い時期に剪定することが美しい樹形を保つ秘訣です。
モミジの葉刈り方法、時期は?
挿し木、実生とも若い樹は、5月ころに全ての葉刈りを行います。
葉刈りを行う理由は、細かな枝作りと細かな葉を作るためです。
葉すかし、葉切り
樹が大きくなると全葉刈りまでは行いませんが、風通しを良くし奥の葉にも日が当たるように対になっている葉の一方を切る葉すかしや葉っぱの先端を切り葉の面積を減らす葉切りを行います。
時期的にはやはり5~6月の葉が増えてきた頃が良いでしょう。
モミジの針金掛け 方法
モミジの樹形を決める針金掛けは重要な作業です。腰高の間延びしたモミジにならないように早期から樹形を決めていきましょう。
使用する針金はアルミを使用します。若い樹は幹、枝の成長も早いので現在の幹・枝より太くなることを予想して少し太めの針金を使用した方が良いでしょう。
時期は?
針金掛けの時期は、剪定後の3月下旬~4月ころが良いでしょう。
若い樹は、幹、枝に針金掛けを行いますが、幹が成長してきたモミジは枝のみ針金掛けを行います。
針金を外すのは、9月以降で良いかと思いますが、幹・枝に針金が食い込むようなら夏の間に外した方が良いでしょう。
モミジの用土、肥料、水遣りは?
用土
モミジ盆栽で難しいのは、夏場の水切れ、葉焼けを起こさないように管理することです。
そのため、水持ちの良い赤玉土をベースに、鉢の底には水はけのよい小さい砂利を使用します。
春はできるだけ日の当たるところが良いですが、夏場は直接陽が当たりすぎないよう(特にきつい西日が当たらないよう)設置場所を変える必要があります。
施肥方法
肥料は5月~10月までの成長期に置き肥を行います。
若い樹の葉刈りする場合は、やや多めに行うのが良いでしょう。
水遣り方法
モミジの水遣りは、こまめに多く行うことが基本です。水切れを起こすと葉が縮み、その年はきれいな紅葉を見ることができなくなります。
12月~2月は2日一回、3~4月は毎日一度。5月~6月は朝夕の2回、7~9月は毎日2~3回、10月~11月は毎日1~2回の頻度で行います。
モミジの植え替え方法
モミジは根の成長も早いので、若い樹は毎年、ある程度成長した期は2年に一度くらいの頻度で植え替えを行います。
水やりの際、鉢の底から水が流れないようなら、根が詰まっているため上記の頻度にかかわらず植え替えを行いましょう。
植え替えの時期は?
植え替えは2月~3月初旬が適期です。
鉢から取り出すと、根が鉢いっぱいに回っているのが分かるので太い根をを切り、細かな根が多く出るよう根の長さも1/3程度に切り詰めます。
経験を積めば、もっと切り詰めても大丈夫ですが、慣れないうちは水切れの心配もあるので初心者は1/3程度切れば良いかと思います。